喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : A 喉頭とくに軟骨の計測
: V 喉頭機能外科に必要な解剖
: 実験13 喉頭とくに軟骨の計測


V-A 喉頭とくに軟骨の計測

喉頭の解剖に関しては今なお Galen の吻合という言葉が残っている事からも判る如く, 16世紀すでにかなり詳細にわたって明らかにされていた. 今さらマクロ的喉頭の解剖を取りあげる必要もない様に思われる. 所が新しい手術法を始めてみると, それなりの定量的, 計測的, 統計的解剖が必要となって来る. これらに関する文献的報告は極めて乏しい.

一方喉頭機能の本質が立体的運動にあり, これを正確なイメージとして把握する事は, 蝸牛迷路の解剖が立体的に把握し難いのと同様容易ではない.

我々は現在ならびに近い将来可能となるかもしれぬ手術に必要と思われる解剖学的情報を得る目的で, 人廃体喉頭につき計測的研究を行なった. その詳細はすでに平本により発表済みであるので本稿では特に実際の手術に密接に関連した点を抜粋してのべる.

喉頭手術に特に必要と思われる解剖学的事項のうち次の項目について主に計測した.

  1. 声帯とくに前連合の甲状軟骨への投影
  2. 甲状軟骨の彎曲度,大きさ
  3. 声帯の長さとその変化度
  4. 甲状軟骨と輪状軟骨との関係
  5. 披裂軟骨筋突起
  6. 披裂輪状関節と披裂軟骨

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Last update: March 12, 1999