喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : 実験14 披裂軟骨運動の喉頭筋シミュレーションによる解析
: V-B 披裂軟骨運動の筋シュミレーションによる解析
: V-B-1 筋突起を側筋方向に牽引した場合の声帯突起の変位


実験14 披裂軟骨運動の喉頭筋シミュレーションによる解析

計測目的

反回神経麻痺に対し神経縫合などの手段により声帯運動賦活 (remobilization) を行う事は未だ臨床的に実用化の段階ではない. 発声時声門の複雑な開閉運動, 例えば有声音, 無声音発声に必要な開閉運動は健側声帯に任せ, 患側は発声時正中線に移動し呼吸時には外側に開いているという比較的単純な働きのみで, 呼吸発声の目的は殆んど達成せられる. こゝに人工筋などで発声時のみ声帯を正中に寄せてやる事の意義又手術実現への努力の妥当性があるわけである

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本計測の目的は将来の人工筋デザインに必要なデータを得る事にあり, 具体的には筋突起変位声帯突起変位の関係, 声帯内転に必要な筋力などを明らかにする事である.

計測方法

人屍体摘出喉頭 4 (男 13〜61 才) を用い計測を行なった.

何れの標本でも喉頭病変を認めないものを選んだ. 絹糸を筋突起にかけ側輪状披裂筋の走向と平行に他は後輪状披裂筋走向と平行に末端に錘りをかける事により牽引できる様にした. 輪状軟骨は輪状支持器に固定した. 筋突起, 声帯突起直上の声帯辺縁粘膜, 前連合はそれぞれピオクタニンでマークした. 計測は倒立L型プローブをマイクロマニピュレーターで微動する事により正確に行った. プローブと喉頭組織の接触の瞬間を知るため両者接触により電流回路が閉鎖される様にしテスターのよみでその瞬間を知った。

計測結果

詳細は別論文として発表の予定であるが, こゝでは特に手術に関連した事項に限定してのべる.


喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : 実験14 披裂軟骨運動の喉頭筋シミュレーションによる解析
: V-B 披裂軟骨運動の筋シュミレーションによる解析
: V-B-1 筋突起を側筋方向に牽引した場合の声帯突起の変位


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Last update: March 16, 1999