再発転移頭頸部癌に対するニボルマブの効果に関する 多施設共同後方視的研究
概要
2017 年 3 月末にがん免疫療法の薬剤であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、再発や転移を有する頭頸部がんに対して日本国内で適応となりました。白金製剤という種類の抗癌剤の治療後に再発や転移が出現した場合に、ニボルマブは従来の他の抗癌剤治療を受けるよりも効果があるということで期待されています。
一方、ニボルマブの効果がある患者さんはそれほど多くはないとも報告されており、ニボルマブの効果がある患者さんと効果がない患者さんを予測する方法はまだ確立されていない状況です。また、効果がある場合でもその効果があらわれる時期や治療期間なども定まった見解が得られていません。これらはニボルマブが頭頸部癌に適応となってまだ日が浅いためという理由があります。
そこで、ニボルマブによる治療を受けられた患者さんのデータを多く集めることにより、効果が見込める患者さんに適切に投与できるように、また効果が見込めない患者さんには他の有効な治療法を提示できるようにしていくことが必要となっています。ニボルマブによる治療を受けられた患者さんは各々の病院ではまだ多くはありませんが、多くの病院からの患者さんのデータを集積することで、より多くのデータを分析することが可能となります。
そこで、京都大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、神戸市立医療センター中央市民病院、京都医療センター、倉敷中央病院、北野病院、小倉記念病院、静岡県立総合病院、兵庫県立尼崎総合医療センター、天理よろづ相談所病院、日本赤十字社和歌山医療センター、滋賀県立成人病センター、大津赤十字病院、静岡市立静岡病院においてニボルマブの治療を受けられた患者さんの診療記録を調べ、詳細に分析することにより、より有効性の高い治療方針の確立に役立てたいと考えています。 対象となる疾患は頭頸部癌(甲状腺癌を除く)です 。
研究方法
過去の診療記録を参照してデータ(年齢、性別、生活歴、組織型、進行度、治療内容、治療後の経過など)を収集します。患者さんおよびご家族に新たにお願いすることはありません。またこの研究によって新たに加わる診察、検査、治療などはありません。
研究対象の方への影響・個人情報の管理
この研究の対象となる患者さんへの直接的な影響はありません。個人情報は京都大学大学院医学研究科・医学部および医学部附属病院 医の倫理委員会において認められた形式(カルテの項目、検査結果から作成したデータファイルには氏名などは記載せず、At Randomに番号を振る。匿名化番号と個人が特定できる情報との対応表は作成しない。データの取り扱いは研究者および研究協力医師に限定する。)で管理し、研究結果の発表の際に個々の患者さんの情報が公開されることはりません。
研究対象の方への説明
今回の研究に際し、対象の患者さんに研究対象であることは連絡いたしません。研究計画書および研究の方法に関する資料の入手閲覧を希望される方は下記連絡先にご連絡いただければ、他の研究対象者等の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲で提供いたします。対象からの除外を希望される場合は、下記の連絡先にご連絡をお願いいたします。
研究期間
当院医の倫理委員会の承認から2019 年 3 月 31 日までとします。
連絡先
京都大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
北村守正
FAX:075-751-7225
住所:〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
TEL:075-751-4899
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp