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人工内耳外来

補聴器をかけても言葉がわからない高度難聴の患者さんを対象にした、埋め込み手術を要する医療機器が人工内耳です。

京都大学は、日本で最初に人工内耳手術を行った大学のひとつです。手術症例は通算で600例を超え、現在年間30症例程度の患者さんが人工内耳手術を受けられています。小児や内耳の形が通常と異なる(内耳奇形)場合などの手術困難例が多いのが特徴です。また近年は両耳に人工内耳を装用される方も増えています。当科では両側同時手術も積極的に行っています。安全な手術、確実な電極埋め込みを実現するため、全例に顔面神経モニター、術中CTを使用して手術を行っています。全国でも術中CTを用いているのは当院のみです。

人工内耳手術によって、今まで全く会話ができなかった人々が、会話できるようになります。しかし、すべてのかたが人工内耳手術の対象になるわけではありません。

人工内耳外来では、患者様の聞こえについて詳しく調べ、本当に人工内耳手術が可能で、聞こえるようになるかどうかを判定します。先天難聴の乳児、幼小児や80歳を超えたお年寄りでも手術が可能で、聞こえが取り戻せます。とくに小児は、早く手術するほうが言葉の発達には有効です。また、2014年からは残存聴力活用型人工内耳が登場し、また2017年10月に成人の人工内耳適応基準が改訂されて、人工内耳手術の対象となる方が増えています。

補聴器が使えないから会話ができない、と決してあきらめず、一度 「人工内耳外来」を受診してください。

京都大学では、日本で承認されているすべての会社・機種の人工内耳(アドバンスト・バイオニクス社、コクレア社、メドエル社)を取り扱っておりますので、ご希望の機種を選択いただくことができます。


担当医師山崎、十名