新生児・乳幼児難聴外来
当外来では新生児、乳幼児、および小児の難聴を主に取り扱っています。
多くの医療機関で新生児聴覚スクリーニングが施行されるようになり、生後まもなく難聴の疑いを指摘される新生児が増えています。また難聴の早期診断により早期聴能訓練が可能となってきました。
先天性難聴の割合は新生児の1,000人に1~2人であり、もし難聴に気づかれずに乳幼児期を過ごしてしまうと、お子さんの言語発達や社会的発達、学習に支障をきたす可能性が高くなります。
難聴を指摘された新生児に対し精密聴力検査を施行し、難聴の有無、程度を診断し、できるだけ早期に聴能訓練や療育環境へ入れるように指導を行っています。精密聴力検査は後日に予約制で導眠薬を使用し行っています。
補聴器を装用した場合、発達とともに補聴効果を観察し、補聴器の装用効果が芳しくない場合は人工内耳手術の適応も検討します。
難聴の原因に関しては、精密聴力検査、画像診断を行うほか、遺伝学的検査を遺伝子診療部との連携により行います。
家庭や幼稚園、保育園で聞き返しが多いなど難聴が疑われる場合や、1歳6か月児健診、3歳児健診、就学時健診、学校健診など検診で難聴を指摘された児に対して精密検査を施行し、診断後は定期的に経過観察しています。
言語発達には聴覚が大きく関係します。言語発達の遅れ、構音の障害がある場合も精密聴力検査、発達検査を施行し、原因を調べます。発達に関することは院内小児科と、また顎顔面奇形や機能障害については形成外科、口腔外科と連携し、診療を行います。
滲出性中耳炎は乳幼児の難聴のうちでもっとも頻度の高いものの一つです。小児滲出性中耳炎診療ガイドラインに準じて治療を行い、必要があれば鼓膜換気チューブ留置術を日帰り手術で行っています。
デイ・サージャリー診療部:https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/center/DSU.html
乳幼児、小児の補聴器装用および療育については、京都市児童福祉センターや京都府聾学校と連携して行なっています。お子さんの聞こえに関して、ご相談がありましたらお気軽にご相談ください。
新生児聴覚スクリーニングケアーリーフレット. pdf.
担当医師山崎、十名、谷口、大江