menu

摂食嚥下診療センター

摂食嚥下診療センターでは、嚥下障害をきたす疾患に対する診療をおこなっています。各々の病態に応じ、嚥下障害専門の医師、看護師、言語聴覚士、栄養士、歯科衛生士、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカーなどの多職種の職員がチームで対応しています。

嚥下障害

嚥下障害とは、口腔から食道への食物の送り込みが障害される病態です。障害が軽度な場合には、食事の際に飲み込みにくさを感じたり、軽いムセを生じる程度ですが、障害が高度になると、誤嚥(食べ物などが誤って気管に入ってしまうこと)をきたし、最終的には肺炎を生じたり、稀に窒息を起こすこともあります。

原因

嚥下障害の原因疾患は多岐にわたります。さらに複数の疾患が複合的に影響して嚥下障害を引き起こすこともあります。嚥下外来では、主に以下のような原因疾患による嚥下障害を対象に外来診療を行っています。

中枢神経障害(脳血管障害、筋萎縮性側索硬化症、Parkinson病など)

神経筋接合部障害(重症筋無力症、皮膚筋炎など)

末梢神経障害(反回神経麻痺、ギランバレー症候群など)

物理的な通過障害(頭頸部腫瘍、熱傷、瘢痕など)

嚥下障害をきたす疾患の中には、原因不明の嚥下障害として症状が始まり、原因を精査することにより確定診断に至るものもあります。

診察の流れ

高度の嚥下障害・誤嚥を有する方を診療対象とさせていただいております。

・誤嚥性肺炎を複数回以上繰り返している方

・進行性の神経筋疾患等により嚥下機能が障害されている方

嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査などを行うことで、嚥下機能の評価、およびその原因の精査などをおこないます。さらに、摂食可能な食事形態や摂食方法(食事姿勢など)を検討し、アドバイスしています。

また、高度の嚥下障害を認める場合には、嚥下改善手術や誤嚥防止術等の手術加療をご提案することがあります。当院ではリハビリ目的の入院や通院はおこなっていません。

京大病院は、初診時に紹介状が必要となります。受診の際には、担当の先生の紹介状の持参をお願いします。
地域医療連携室(075-751-4320)を通じてセンターの受診予約をお取りください。

検査

嚥下内視鏡検査:鼻から細い内視鏡をのど(咽頭)まで挿入し、内視鏡で観察しながら飲み込みの様子を観察する検査です。

嚥下造影検査:レントゲン透視下で造影剤を含んだ食物や水分を摂取していただき、飲み込みの状態を観察する検査です。

手術

嚥下改善手術:食べ物の食道への送り込みを促進し、誤嚥のリスクを軽減するための手術です。

輪状咽頭筋切除術、喉頭挙上術、甲状軟骨形成術、披裂軟骨内転術など

誤嚥防止術:嚥下機能障害が高度で、機能改善の見込みが少ない場合に行う、誤嚥を防止するための手術です。

喉頭気管分離術、声門閉鎖術、喉頭全摘術、気管切開術など

 


担当医師末廣、岩永