国立研究開発法人日本医療研究開発機構 2018年度難治性疾患実用化研究事業 咽頭・喉頭・気管狭窄症診療ガイドライン作成を目指したエビデンス創出研究

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ご挨拶

    

 呼吸はヒトの生命に必須の機能です。呼吸の際の空気の通り道を気道と言います。空気は鼻や口から入り咽頭(いんとう)(のど)を通り喉頭(こうとう)(のど)を通って、気管に入り、気管支、肺胞へと入っていきます。
 咽頭や喉頭や気管が狭くなる病気があり、症状としては息が苦しくなります。先天的(生まれながら)に狭くなっている場合や、後天的(生まれた後)に様々な病気で狭くなってしまう場合があり、総称して咽頭・喉頭・気管狭窄症あるいは気道狭窄症と言われています。
 咽頭・喉頭・気管狭窄症はその病気の自然経過、重症度、予後や、外科治療の有効性などがわかっていません。治療内容も病院や医師により異なっています。適切な診断のもと適切な治療が開始された患者さんの予後は決して悪くないものの、そのエビデンスとなるデータが存在しないため、適切な診断、治療をうけられないまま病脳期間が長期にわたる患者さんもおられます。
 本研究班では、咽頭・喉頭・気管狭窄症に携わる国内の代表的な基礎医学研究者および臨床医学研究者が協力し、難病対策の向上および難病支援体制の充実を目指して活動しています。耳鼻咽喉科、気管食道科、小児外科、呼吸器外科などの気道に関わるさまざまな診療科の専門家が参加し、多彩な気道狭窄症に対応できる構成をとっています。
 咽頭・喉頭・気管狭窄症は様々な原因によって起こります。そのうち指定難病として認められているのは、先天性声門下狭窄症と先天性気管狭窄症があります。さらに、非常に希な疾患ですので、医療情報を集めて解析することができません。そこで、この研究班では、咽頭・喉頭・気管狭窄症に関する乳児期から成人期までの全国の実態調査や、DPC(diagnosis procedure combination)データをもとにしたビッグデータ解析を行うことにより、その患者実態、臨床像、治療内容および経過などを明らかとするとともに、患者レジストリを構築します。難病プラットフォームを活用させていただき、患者さんの病気の状態や治療経過などを登録して蓄積していきます。これらを基にして、診療アルゴリズムを確立し、ガイドライン作成へつなげていくことが期待されています。もちろん、この研究を進めるためには患者さんやご家族のご協力も必要不可欠です。市民公開講座などで、本研究班と患者の皆様の連携を図っていきたいと考えています。
本ホームページでは気道狭窄症に関する情報公開と情報交換を積極的に行い、研究成果の向上に繋げていきたいと考えております。是非とも皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

日本医療研究開発機構 難治性疾患実用化研究事業
「咽頭・喉頭・気管狭窄症診療ガイドライン作成を目指したエビデンス創出研究」研究班
研究代表者 京都大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 大森孝一

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