気道上皮分化治療薬の探索
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
2017~2019年度 創薬支援推進事業・創薬総合支援事業
「Hippoシグナル経路の調節による気道上皮分化異常治療薬の探索」
気道の炎症は感染などの様々な要因により起こり、炎症時に生じる上皮の分化異常は粘液線毛クリアランス機能の低下だけでなく、炎症の慢性化や重症化の引き金となります。この研究では、気道上皮の線毛細胞分化を促進し 粘液線毛クリアランス機能を改善する目的で、Hippoシグナル経路の負の制御因子YAPを標的とした薬剤による治療法の開発を目指しました。
コラーゲンスポンジ移植による気道上皮再建in vivoモデル動物とin vitro初代培養細胞を用いた検討から、YAP阻害薬による線毛細胞分化促進作用が確認されました。この成果を基に「粘液線毛クリアランス機能改善剤」の特許を申請中です(特開2021-24825)。