喉頭機能外科 : III 発声障害のメカニズム : III-3 声帯質量不均衡
← : 実験6 声帯緊張不均衡時声帯振動の計算機シミュレーション
→ : 実験7 両声帯質量不均衡時の声帯振動に及ぼす影響について
実際の臨床例では声門閉鎖不全が声帯腫瘍などによる事が多く, 声帯質量や緊張度の不均衡を伴っている. これらの因子のみで嗄声を来しうるか. 嗄声にどの様な影響を与えるか未解決の問題である. 臨床経験からすれば一側声帯上面にかなり大きなポリープがあっても声門閉鎖不全がなければあまり嗄声にならない. この事から声帯質量不均衡単独では嗄声発生にとってあまり重要な因子ではない様にも思われる. しかしながら声門閉鎖不全がなければ質量不均衡のみでは嗄声を来さないと断言できるか, また左右声帯が別々の周波数で振動しうるか等の疑問が残る.
臨床例では多数因子が同時に関与しているのでその嗄声メカニズムは理解しがたい. なるべく一因子のみの影響を知るため, 再び摘出喉頭による実験を行なった.
喉頭機能外科 : III 発声障害のメカニズム : III-3 声帯質量不均衡
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