喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : A 喉頭とくに軟骨の計測 : 3 声帯の長さとその変化度
← : V-A-2 甲状軟骨の彎曲度,大きさ
→ : V-A-4 甲状軟骨と輪状軟骨との関係
屍体声帯長から生体声帯長を類推する事は両者の相関についての報告は全くないので困難である. しかし輪状甲状筋収縮による声帯長の変化の概略を知るため, 輪状甲状筋非収縮 (無操作) と収縮 (両軟骨間距離を糸で最高に引き寄せる) 状態での声帯長, すなわち前連合より声帯突起までの距離 f と声帯突起より後連合までの距離 g を測定した (図105). (声帯緊張時の長さを f′ g′ としている).
f は, 男平均 15.1mm, 女平均 11.3mm これが輪状甲状軟骨間距離の短縮により f′ 男平均 16.6mm, 女平均 12.3mm と各々 1.5mm, 1.0mm すなわちほゞ 10% 延長する. g は男平均 9.0mm, 女平均 6.6mm で同じく各々 0.9mm, 0.4mm 延長する. これは, あくまで屍体という条件下であり, 参考データにすぎない.
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