喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : A 喉頭とくに軟骨の計測 : 2 甲状軟骨の彎曲度,大きさ
← : V-A-1 声帯前連合ならびに声帯の計測
→ : V-A-3 声帯の長さとその変化度
甲状軟骨の彎曲度は男で比較的鋭角, 女で鈍角な事は良く知られているが, 角度を実際測定するとなると左右甲状軟骨翼が平面として交叉しているのではなく, 正中部で漸次曲面に移行しているので, その測定規準をどこにとるかが問題となる.従って, 従来の報告も (Chiewitz, Hallet, Minnigerode) 甚だ不一致である.我々は角度測定の曖昧さをなくす為両甲状軟骨翼のなす角を図105に示す如く各々中央 1/3 の平面 (声帯レベルで) のなす角度とし計測した.その結果は男 58°〜88°, 平均 74.1° 不備分散 75.25°, 女 80°〜100°, 平均 90°, 不備分散 32.54°であり, 1% の危険率の有意水準で, 男女有意差ありといえる.
縦はすでに表5に示した. 横径については図103に示す如き h, i の測定を行った. その結果を表6に示す. 声帯レベルでの甲状軟骨翼横径の男平均は約 37mm, 女平均 28mmで, ほゞ 1cm の差があるが, 個人差もかなり大きい.
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