喉頭機能外科 : V 喉頭機能外科に必要な解剖 : A 喉頭とくに軟骨の計測 : 4 甲状軟骨と輪状軟骨との関係
← : V-A-3 声帯の長さとその変化度
→ : V-A-5 披裂軟骨筋突起
甲状軟骨形成術 I 型の如く, 甲状軟骨翼の一部を窓状に切開, 内方に陥凹せしめ声帯の正中方向への移動を計る場合, 甲状軟骨の内側に輪状軟骨が重複している部位では甲状軟骨切開片が輪状軟骨にさまたげられ充分内方に移動しない. 甲状軟骨形成術 I 型を効果的に行うには是非とも, 甲状軟骨と輪状軟骨の重なり具合を知る必要がある.
図103に示す如く, その関係を知る指標として,
a) 甲状軟骨, 輪状軟骨の交叉点の正中線からの距離k, ならびに
b) 甲状軟骨後縁における輪状軟骨の投影点l (甲状軟骨下縁水平線よりの距離) を測定した (表7).
男では k 平均 13.61mm, l 平均8.6mm, 女では k 平均 11.0mm, l 平均 7.0mm であった.
図106に示す如く甲状軟骨形成術 I 型で切開があまり後方に延長されすぎると後方では輪状軟骨につかえ内方へ陥凹しない.
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