喉頭機能外科 : VI 喉頭の機能外科 : A 輪状甲状軟骨接近術 ― cricothyroid approximation
: 実験17 輪状甲状軟骨間距離音声ピッチ
: VI-5-B 甲状軟骨横径拡大術


VI-5-A 輪状甲状軟骨接近術 ― cricothyroid approximation

手術適応

女性で声が低すぎる場合.

マニュアルテスト (図100) で確実にピッチが上昇する事.

手術手技

麻酔は局麻, 仰臥位とし, 頸部正中切開 (甲状軟骨中央よりやや低目) でまず甲状軟骨, 輪状軟骨を露出し, 3-0 ナイロンを通常各側2本, 計4本かける. かなり大きな彎曲鋭針でまず輪状軟骨に糸をかけ一旦, 前筋の輪状軟骨起始部で出し, 再び甲状軟骨で同様の操作を行ないマットレス縫合とする (図168). この際, 輪状軟骨はしっかりしているから大きく糸をかける事が大切でさもないと, ちぎれてしまうかもしれない. しかしあまり深くかけ気道内に入っては困る. 4本全部糸を通し終ってから, 図の如くまくらを挿入し縫合する. 糸を結ぶ前に肩枕をとり, 自然な状態で, 輪状甲状筋を接近させながら発声させ声の高さの変化を確認する. 糸を結ぶ際には助手に輪状軟骨下線を充分上方へ持ち上げてもらいながら, 糸をまず充分引いて結ぶ事 (外締結紮), 左右交互にやるのが肝要である.糸を結ぶ前後に輪状甲状軟骨間距離を測定しておくのも後々の参考となる. 抗生物質撒布後, 術を終る.

臨床成績を表12に示す.


喉頭機能外科 : VI 喉頭の機能外科 : A 輪状甲状軟骨接近術 ― cricothyroid approximation
: 実験17 輪状甲状軟骨間距離音声ピッチ
: VI-5-B 甲状軟骨横径拡大術


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Last update: March 12, 1999