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難聴外来

当外来では主に内耳が原因で難聴や耳鳴りを起こす病気を扱います。

主な病気は下記のようなものです。

突然に、あるいは比較的急速におこる難聴

突発性難聴

その名の通り、ある日突然に聞こえが悪くなる病気です。 難聴というよりは「耳が塞がったような感覚」と感じることもあり、多くは耳鳴りを伴います。めまいを伴うこともあります。

軽症であれば外来で内服治療しますが、中等度以上では原則として入院していただき、ステロイド点滴療法を行います。高圧酸素療法を行うこともあります。


音響外傷

ロックコンサートやディスコなどで大きな音を長時間聞いたあと、あるいは爆発音のような非常に大きな音を聞いたあとに難聴や耳鳴りを生じます。

重症度に応じて外来で内服または入院でステロイド点滴療法を行います。


ムンプス難聴

主に小児で、おたふく風邪のウイルスが難聴を起こす場合があります。

残念ながらどのような治療をしても回復する可能性は非常に少ないのですが、発症後ごく早期であればステロイド治療を試みています。


薬剤性難聴

ある種の薬(結核治療薬のストレプトマイシン・カナマイシン、アスピリン、一部の利尿剤など)で難聴を起こすことがあります。薬による難聴の疑いがあり、かつそれらの薬を止めても差し支えない場合には中止し、場合によりステロイド療法を行います。


外リンパ瘻、メニエル病

これらの急に発症する難聴は特に、発症後早期に治療を開始することが最も重要ですので、難聴を自覚されたらできる限り早く受診してください。(めまい外来の項参照

徐々に進行する難聴

聴神経腫瘍

音の情報を内耳から脳に伝える神経を聴神経といいますが、その聴神経に出来る腫瘍です(厳密にはすぐ隣を走る前庭神経に出来るものが多い)。

良性腫瘍で、 ゆっくり大きくなるので、小さな腫瘍であれば定期的にMRIを撮影しながら手術せずに様子を見ます。発見時にかなり大きいもの、増大速度の速いものは手術で摘出します。


耳硬化症

鼓膜から入った音を内耳に伝える3つの骨のうち、内耳に一番近い「アブミ骨」と呼ばれる骨の動きが悪くなることにより難聴がおこります。手術により聴力の改善が期待できます。


騒音性難聴

工場など、騒音の大きい環境に長時間いることによって徐々に進行する難聴です。高音部(特に4 kHz)の聴力が悪くなることが特徴です。残念ながら治療手段はなく、これ以上悪くしないために職場で耳栓をすることなどを指導しています。


老人性難聴

歳をとれば誰でもが悩まされる難聴です。聴力検査でわかる数字以上に言葉の聞き取りが悪くなることが特徴です。内耳および中枢の聴覚伝導路の老化現象ですので、現在の医学では治療手段が無く、会話が不自由であれば補聴器の適応となります。

→補聴器外来の項参照


進行性感音難聴

若い頃から、あるいは中年以降に少しずつ両耳の聴力が悪くなってゆく病気です。遺伝子の異常が関係していると推測されているもの、免疫の異常が関与している と推測されているもの、および全く原因不明なものがあります。ステロイド治療が有効な例があり、そのような例ではステロイドの少量長期投与を行います。

若年発症型両側性感音難聴の遺伝学的検査については遺伝子診療部との連携により健康保険診療で行います。

生まれつきの難聴

原因のわかっているものとして、妊娠中の母体のウイルス感染によるもの、遺伝によるもの、内耳の形態異常などがありますが、多くは原因不明です。

これらの難聴を起こす病気には、現在の医学で治療可能なものとそうでないものとがありますが、補聴器や人工内耳という手段がありますので、お困りの方はまず御受診ください。

先天性難聴に対する遺伝学的検査については健康保険診療で遺伝子診療部との連携により行います。

ミトコンドリア病や、症候群等で難聴の他に症状がある場合は、糖尿病内科、腎臓内科、脳神経内科、眼科、小児科と連携し診療を行います。

→補聴器外来の項参照

→人工内耳外来の項参照


担当医師西村、山崎、十名、鹿子島